【勤続年数】0年2ヶ月
【主な業務内容】新入社員研修中
社員の報告
木谷社長
お疲れ様です。Mです。
2月5日の定期報告を提出いたします。
研修では以下の作業を行いました。
①図面のトレース
②部品のスケッチ・寸法測定・製図
③AutoCAD
①図面のトレース
前回から引き続き、ドラフターを使用して図面のトレースを行いました。見やすく分かりやすい図面になるよう線種の使い分け、寸法の入れ方などを注意して丁寧に描くことに加えて検図の仕方を意識して取り組みました。完成した図面にミスがないか確認作業をしていても、単純なミス(寸法線・寸法補助線の引き間違い、記入漏れ等) に気づかないことがあり、自分で検図する難しさを感じるとともに、確認の仕方に問題があることが分かりました。そのモノの形が出来上がるための寸法が図面に入っているかを順番に確認していくという方法を教えて頂いたのでそれを意識して、常に必ず間違いがあると思いながらチェックを行い、なるべくミスが減らせるように取り組んでいきたいと思います。
②部品のスケッチ・寸法測定・製図
1つの部品をスケッチし、寸法を測定して最後にドラフターを使用して図面化する作業を行いました。
寸法測定については、図面化する際に必要になると思う寸法だけを測ってしまうと、後で必ず採寸漏れが起こると助言を頂いたので、出来る限り細かくそれぞれの箇所の寸法を測定しました。製図する際には、トレースの時と同じように後から記入する寸法や引出線の数・配置を予測して、用紙にバランスよく納まるように図面を描く位置を考えました。また、必要な情報を過不足なく記入しつつ、見やすい図面に仕上げるにはどうしたらよいかを考え、トレースの時に学んだことを取り入れながら描いていきました。しかし、トレースでは基本は見本があるので分かりづらい部分のみ寸法の入れ方、寸法補助線・引出線の引き方などを工夫していたのに対して、一から図面にする作業については、その部品を作るためにはどの部分の寸法が重要で必要となるのか、基準をどこにすればよいかなど一つ一つを考える必要があり、判断に迷う点も多くありました。自分で考えて判断していくことがいかに重要かということを実感いたしました。
③AutoCAD
AutoCADについてはまず基本的な操作方法を教えていただき、図面のトレースを行いながらコマンドの使い方や線の引き方などAutoCADの基本を覚えていくことから始めました。描き方など最初は分からない部分も多々ありましたが、参考書を見て調べるか、調べても分からない時は教えて頂きながら操作方法や使い方を覚えていっています。まだ一部分の機能しか理解できておらず、操作にも慣れていないことがあるので、早く実際の業務で使いこなせるように励みたいと思います。
今回の定期報告は以上となります。
お忙しい中大変恐れ入りますが、ご確認のほどよろしくお願い致します。
社長からの返信
Mさん
ご苦労様です。報告ありがとう。
京都でのドラフター実習ご苦労様でした。今どき手描き?と疑問だったでしょうがこちらには描く人の細かな作業をする時の癖や性格が見えると考えています。当然ですが人の思考は分かりません。しかし、手描きをすることで少なくとも図面を描く時のいろんなものが見えてくる気がします。それが分かればこちらとしてはアドバイスも考え方も伝える事ができると考えます。
それにCADは描いている画面に映された図面が他人から見えにくく描いている人の特徴も分かりづらい。図面が簡単に動き、拡大縮小などできて便利ですが手描き図面のように固定していないので見にくい。出力した図面は描いた人の癖も分かりにくくどこか平面的でもっともらしく見えてしまいます。すなわち、図面を描く時の考えもしくは注意深さなどが見えない。それらは設計する時に必要なことですがそこを観察して助言することがCADではしにくいと感じます。
Mさんには報告書に書いてくれているような細かな話をたくさんしました。それらを忠実に実践しようとし図面を描くごとにきれいで早く描けるようになったと思います。一度は不採用の結論を出した私が良い意味で裏切られました。
ある部品のスケッチ、採寸、ドラフターでの部品図作成をしてもらいましたが基準のとり方や寸法の入れ方など悩んだと思います。私が見る限りでは完ぺきではないがよくできたと判定しています。何より部品の図面上での置き方配置がよかった。私が描いたものより配置はMさんの方が良かった。多分ですが、トレースの段階でも配置がいいと感じていたのでそれまでによく考えて描いていた結果だろうと思います。たかがトレースですが考えて描いたという所に意味があります。
話しましたように誰もが納得するような自分の設計基準を構築するように心がけてください。私が言ったことでそうではなくこの方法がいいと思うならばそうしてみてください。これから先、考え続けていけば最良の自分の基準ができるはずです。それこそ自分が獲得した大きなスキルのひとつになります。自由に考え、自由に選択し誰もが認める設計者を目指してください。
以上、よろしくお願いします。