いつも弊社のホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
「社内勉強会」のページに、2022年11月度の開講内容を公開いたしました。
ご意見・ご質問等あればぜひ弊社までお問合せください。
今後とも宜しくお願い申し上げます。
2022年11月度の勉強会として配信した寸法公差について、
私も改めて資料を読みました。
今日の振り返りとして簡単にまとめておきます。
2022年11月某日 社内勉強会担当
テクノリンク社内勉強会 振り返り
<寸法公差とは>
簡単に言うと指示された寸法に対して許容できる範囲を示したもの。
寸法公差という概念があることによって、重要となる部分だけ
注意深く念入りに加工すればよく、その他の部分は高速で短時間に
処理することができるようになる。
<公差の値がどのように決められたか?>
それは過去の経験からである。実際に加工した部品同士を組み合わせて具合を見たり、
学術的に導き出された事が基となって、最終的には機能を満たすだけの性能と、
そのためにかかるコストが、大多数の人が納得できるバランスが取れた所に
収束していった結果が今の公差。
<公差の累積>
寸法が連続した箇所では公差が累積するが、連続した両端の公差を単純な足し算で
算出すると公差の範囲が広くなってしまう。その場合は統計学の分散を考慮し、
公差を2乗したものを足して√(ルート)する手法を取る。
実際それでも問題ない場合が多い。
<公差の無い寸法についてはどう対応すればいいか?>
一般公差(普通公差、普通許容差ともいう)に基づいて対応する。
常識的に考えてこれぐらいの範囲に収めていれば、一定のレベルの部品となり、
組み立てた時にほぼ支障が出ない、という値が決められていて、
まとめられた表が図面の隅や別の資料に記されている。
寸法数値が大きくなれば公差値もそれに合わせて大きくなる。
加工においては一般公差を利用することで図面の寸法を読みやすくして、
重要寸法を正確に見分けることができるようになる。
図面作成においても、個々の寸法への公差の記入が省けることによって、
作図の手間と工数を減らすことができる。
今回の勉強会テーマは寸法公差について。
図面中の一部の寸法に添えられた小さな数字、それが寸法公差です。
公差が入った寸法は、部品を作るうえで指定された寸法値に対して、
この範囲なら許されるという値であることは想像できると思います。
では、公差の値はどのようにして決められたものでしょう?
また、そのほか大多数の公差の無い寸法についてはどう対応すればいいでしょう?
そんな視点で公差について考えてみてください。
よく似た用語で「幾何公差」というのがありますが、
こちらは次回の勉強会で取り上げる予定です。
では、続きは資料で確認してください。
2022年11月某日 社内勉強会担当
※文中の「資料」については他社様(ものづくり分野のデータベースサイト)発刊の冊子であるため、
こちらのHPでは公開いたしかねます。ご容赦くださいませ。
いつもご閲覧頂きありがとうございます。
2022年11月付の大阪オフィス移転に伴い、HPの更新を行いました。
(オフィスは阿倍野から布施へ移りました。)
■会社概要
・所在地
■アクセス
以上です。
今後とも宜しくお願い致します。
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「若手社員レポート」のページに、新規投稿を1件公開いたしました。
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【勤続年数】0年3ヶ月
【主な業務内容】自動機設計
社員の報告
木谷社長
お疲れ様です。Kです。
10月22日の定期報告を提出致します。
この2週間は、□□□社の案件が終了し、現在は×××社の案件に携わらせていただいております。□□□社の〇〇治具については無事に組み終え、10/15に納品することができました。(納品にお付き合いいただきまして、ありがとうございました。)
自分で部品を選定して作成したモデルが実際に物として組み上がるのはとても感慨深く、また、たいへん勉強になりました。組み立てについてはご指導頂きながら行ったため概ね上手くいったのですが、一点ねじ穴が潰れてしまうトラブルがありました。
A5052の板にあけたM4のタップに、先端形状がM4おねじである六角支柱を取り付ける必要があったのですが、六角支柱を締め付けすぎてしまったためねじ穴が潰れてしまい、部品を取り付けることができなくなってしまいました。
解決策として、エンザートと呼ばれるインサートナットを入れて補修する方法を教えて頂きました。潰れたねじ穴を、M4用エンザート挿入のための下穴径までドリルで広げそこにエンザートを入れることで、アルミへの直タップよりも強度のあるねじ穴にすることができ、六角支柱も問題なく取り付けることができました。
今回の失敗から、アルミや樹脂など、強度の低い母材はめねじ破壊が起こりやすいため、あらかじめエンザートやヘリサートを用いてねじ穴を補強する設計にするのが良いことを学びました。今後も樹脂やアルミなど強度の低いものを扱う際には、オーバートルクにならないよう注意して組立てなければと思った一件でした。
また、現在は主に部品図の作成を行なっていますが、図面を仕上げるスピードの遅さや製図に対する理解の甘さなど、力不足を感じています。図面作成にかける時間を短縮させるためにも様々な図面から学び、基礎的な力を身につけていきたいと思います。
以上となります。
お忙しいところ恐れ入りますがご確認のほどよろしくお願い致します。
社長からの返信
Kさん
ご苦労様です。
報告ありがとうございます。
〇□□□社案件無事納品
自らが設計したものを納品まで実行したことで大きな自信が付いたと思います。同行した私も客先が喜んでくれた様子を見て非常に嬉しかった。納品時の緊張と達成感を忘れず今後の励みにしてください。
テクノリンクの全社員がこのような経験をする事ができればいいのですが、客先と部署によりできない人がほとんどです。設計会社の性質上仕方ないことです。しかし、設計から納品まで済ませた今回の案件が機械要素全体を網羅した製品ではない(当然ですが・・)のでKさんもまだまだこれからです。
経験できないところは設計者に必要な興味と想像力で埋め合わせができます。これからも経験に代わるくらいの想像力と知識から生まれる設計力も積み上げてください。
もう一つ感心したことがあります。納品時に梱包を解いた後の片づけを進んでさっさと済ませてくれたことです。設計の基本はこのような配慮ができる事にもあります。
〇ねじを潰したようですね。
最初はよくある事です。京都本社での訓練期間中に昔、私が失敗して潰したボルトを見せたと思います。そのいきさつも話しました。客先の前でやらかした失敗などさっさと忘れたいですが、忘れないために大切に保管しているものです。ねじを潰したことはいい事ではないですが今後に生かせればその経験はいい教訓です。
私はステンレスのM6ボルトを焼き付けさせ緩めようとしてねじ切って破壊した事があります。直径約400㎜、高さ約800㎜の装置で本体の一部の材料代(ハステロイ)だけでも約100万円はする物でした。
ねじ切られたボルトはねじ穴に残ったままその場では取り除けない。今でも客先担当者が唖然とする前で目の前が真っ暗になった感じは忘れもしません。
「焼き付く」という用語は初めて聞いたかもしれません。身近な例ではボルトをねじ穴に取りつけた場合、双方の材質がステンレスの時に発生しやすい。(モリブデンペーストを塗布して予防する方法はあります。汚れます。)ねじであれば締めすぎ、摺動機構ならば無潤滑状態等で激しく滑動した時に摩擦熱と膨張等により固着して動かなくなる状態を「焼き付いた」と言います。詳しくはネットで検索ください。(焼き付くのは材質がステンレスだけではありません。)
私は現場にも居たのでこのような経験をしたり、目にしています。自慢にもならないことですが二度と失敗するまいという気持ちをそれらの失敗や経験で肝に銘じたことは間違いありません。
ともあれアルミ(すべてではないですが)は
・鉄系金属に比べたら脆い
・ねじは締めすぎるとKさんの非力でも潰れることがある
と少なくともこの二つは今回の失敗で学びました。設計はこのような事も考慮の上実行するものです。(良かったらこれを機会にねじの強度計算をしてみたらどうでしょうか。)
〇 最後に
Kさんの実力で製品が完成したことは間違いないですが、大阪所長から仕事を頂きアドバイスをもらって完成したことに感謝の気持ちを忘れずにいてください。(言わなくともKさんの人柄ならそうしてると思います。)
そういう謙虚な姿勢で学んでいけば周囲は間違いなくKさんをサポートしてくれ、知識や経験を惜しみなく与えてくれるはずです。その結果として感謝できない人より、より早く設計者として深い、上っ面だけではない力を身に付けることになります。
他人が時間をかけて学び、経験し、完成した事を一瞬で頂くことになる。それは今設計に利用しているすべて(便利な購入品等も含む)の事にも当てはまります。それに加えて自身で獲得する力を上乗せすれば結果は言うまでもありません。
体調に気を付けて勤務ください。
よろしくお願い致します。