勉強会のいちばん初めに、
設計を志してテクノリンクに来た新人の皆さんへ
以前の勉強会で「図面の描き方」という題で
講義を行った時のプロジェクター資料を送ります。
勉強会では口頭で補足説明しましたが、それを「図面を描く意味」として、
簡単にではありますが文章にしましたので読んでください。
2021年10月某日 社内勉強会担当
図面を描く意味
(勉強会用プロジェクター資料「図面の描き方」と合わせてご覧ください)
設計における図面には、部品図、組立図、検討図…など、ほかにもいろいろありますが、それら
の図面を描く意味とは何でしょう。
ひとつめは「情報の伝達」のためです。
それぞれの図面に目的、役割、必要性があって、書き方が違います。それらを理解することによっ
て、おのずと書き方が見えてくるのではないかと思うのです。例えば、
・部品の加工:設計者から加工者へ、作ってほしい部品の形を伝える
・受入れ検査:加工された部品に間違いが無いか、受け取っても大丈夫か確認する
・組立て作業:要求する仕様を伝え、もしも不具合が起こった際は、図面から原因を探る
最近では、CAD のデータから直接加工をしてくれるサービスもありますが、加工後の確認や、組
立てで不具合が起こった場合の対応は、図面があった方がスムーズです。
ふたつめは「証拠として残す」ためです。
・設計を進めていく過程で、関わる人同士が確認したという証拠
・初回の出図内容とそれ以降の変更履歴
図面上の間違いを訂正したのか、設計的な問題を解決するための変更なのか、図面の履歴を見
れば後からでも遡ることができます。
図面の書き方には基本的なルールがあります。「※日本産業規格」が一般的で、英語
(Japanese Industrial Standards)の頭文字を取って「JIS(読みはジス)」と呼ばれています。技術文
書として国レベルの「規格」を制定し、全国的に「統一」または「単純化」したもので、「標準化」とも
言います。JIS の規定はあくまでも基本的なルールであって、絶対ではありません。図面のルール
は、各会社が独自に作るケースも存在します。ただし、読み手に対して認識の違いを与えないこと
は守らなければなりません。
※ 日本工業規格 から 日本産業規格 に改称。
最後に、図面は設計者の仕事の結果です。
成果として後に残ります。また設計に対する評価軸にもなります。
ですから、いい加減な書き方をしていてはいけません。まずは間違いのない図面を、将来的には、
誰が見ても理解しやすく要点を押さえた図面が書けるようになってほしいと思います。